
ついに稲作農業の一通りの作業を終えて、新米を食べられる時がきました。実りの秋を実感する素敵な瞬間ですね。
この新米は水を少し少なめにして炊くというのが一般的なのですが、実は必ずしもそうではないんです。
結論として、1回目は普段通りに目盛りを合わせた水加減で炊いてみて、翌日から微調整する程度で問題ありません。
食べられなくなるほど炊き上がりに変化が出てしまうことはありませんから、1回目からドンピシャで炊き上げるのは無理があると思いますよ。
そもそも新米っていつまで?
収穫直後は新米ですが、いつまでなら新米と呼んでもいいのでしょう。私の知っている知識では、基本的にお米の収穫は秋なので、その年いっぱいは新米と名乗ってもいいようです。
ただ「新米」という定義はいくつかあるようですので、一概にはいえません。
参考:新米の時期はいつからいつまで?米の収穫時期や季節はいつ? | トレンド豆知識
こちらの情報によると、私の言う「収穫した年の年末まで」というのは玄米および精米品質表示区分でのJAS法による表現のようです。他には米穀年度制という決まりもあるようです。
いずれにしてもスーパーなどで「新米」と表記するための基準ということなので、収穫後間もない今の時期は間違いなく新米でありおいしいということは変わりないでしょう。
人の好みによって、あるいは調理法やメニュー(チャーハンなど)によっては、あえて古米を使用する方がよいということもあるようですけどね。
新米を炊く時の水加減は?
一般的には新米を炊く時の水は気持ち少なめというのがセオリーです。新米は水分を多量に含んでいるため、その分を減らさないとベチャッとした炊き上がりになるというのがその理由です。
しかし、新米の出来栄えというのはその年によって異なるため、絶対に減らさないといけないというものでもありません。このことは覚えておいた方が良さそうです。
たとえば、猛暑が続いた年はお米が硬くなりやすいとか言われていますが、育成段階での天候なんかによっては、もともとのお米の硬さが変わってきますので、水分量は一概には決められません。
2015年の新米の傾向と実際に炊いた結果は
よって、こういうのは一発目からバッチリの水加減で最適な炊き上がりというのは狙えるものではないでしょう。
実際にお米を炊いてみて徐々に水加減を修正していくのがいちばんです。さっそく炊いてみます。
実際にお米を炊く際の水加減を気持ちだけ少なくしてみました。画像では2合のお米を炊こうとしていますが、目盛りよりも1mm程度少なめにしてみました。

おぉ!新米が炊けた。ツヤがあってお米も立っています。見た目には美味しそうですし、実際に美味しかったのですが、普段の炊き上がりと違って若干硬めでした。
硬めのご飯が好きな人はピッタリの炊き加減です。
ということは、実家の母が言っていたように今年の新米の水加減は古米と同じで目盛りにピッタリ合わせて問題ないのでしょうか。

翌日に目盛りピッタリの水加減で炊いてみました。今度は卵かけご飯にしていただきましたが、それでもまだ少し普段より硬めでした。
前日よりはやや柔らかいのかな?といった程度です。いずれにしても美味しくいただきました。
新米の味ってわかりますか?
よく、やっぱり新米は美味しいなって言いながら食べてる人がいますが、本当に違いが分かるのかなって疑問に思いながらいつも違いを感じるように意識して食べてました。
私の祖父は古米を新米はうまいなーって食べてました。ベテランの農家の人間でもよく分からない人もいるのですが、私の思う新米の特徴をなんとなく書き連ねてみます。
ツヤが違う
やはり収穫時に水分量を多く含んでいるからなのでしょうか、炊き上がりがツヤツヤしてます。
古米にはあまり出せないかと思いますが、適量のみりんを足してやるとか、いろんなテクニックはあるようです。ここでは割愛しますが。
香りが違う
好き嫌いはあるでしょうが、お米の香りが強いです。私は好きな香りですのでそれが余計に美味しさを引き立てるような気がしています。
噛みごたえが違う
古米はパサパサしているというか、噛んだ時に「プチン」と弾けて割れるというか、粘りがない感じがしますが、新米はモチモチと粘り気のある柔らかい噛みごたえがあります。
私はこれが好きですので美味しいと感じますが、人によってはこの感じが苦手な人もいるでしょう。
私は古米のパサパサした感じが嫌いですが、我が家のお米は1年経過したくらいでは粘り気はなくなりませんから、あまりこういうお米に出会うことはありません。
しかし以前に有名なホテルの結婚披露宴で出てきた”鯛めし”のお米がパサパサのプチプチで、一口目で初めてお米を残したという思い出があります。
後日、父とその話をしたら父も同じことを感じていたようですが、さすがに父は農家の後継者なので我慢して食べたようです。
ご飯のすすみ方が違う
細かいことは分からないけど、異常にお米がすすむというのが正直な感想です。
我が家のお米を知り合いに分けてみたところ、小学生くらいの子供さんがお米を残さなくなり、さらにお弁当も残さなくなったということから固定客になってくれたという経験もあります。
お米というのは炊きたてよりも冷えた時にその違いがはっきりわかるようなので、お弁当を残さなくなるようですね。
結論:水加減は古米と同様に目盛りピッタリで炊くべし
土地によっても違いますし、収穫時期や品種によっても違うでしょうから一概には言えませんが、我が家の2015年の新米はコシヒカリで、炊飯時の水加減は目盛り通りに炊いてみて、好みで微調整していくのが正解だと思います。
そもそも目盛り通りに炊いておけば、食べられないほど硬いとか柔らかいということはあまりないのではないでしょうか?
身も蓋もないことで結論づけてしまいましたが、参考にして皆さんも実りの食欲の秋を満喫してみてくださいね。