プリズナートレーニング を開始してもう1年が経過したのかと、時間が経つ速さに驚いています。
この言葉には「時が経つのは早い」という意味と「1年間も継続しているのにこれだけしか進歩しなかったのか」という落胆の意味が込められています。
もちろんネガティブに捉えるつもりはなく、年数をもっと重ねてさらなる進歩を狙いたいと前向きに思っていますが、これから始めようと思っている人は少し意識を改める必要があります。
つまりプリズナートレーニングは、短期間で簡単にマッチョになったりパワーが得られる 魔法のトレーニングではない ということです。
以下に、私がプリズナートレーニングを1年間もの間、継続して得た気づきをまとめておきます。
これからプリズナートレーニングを始める人や、思ったように効果が出ないと感じている人の参考になれば幸いです。
もくじ
- 1 簡単にできるからと初期ステップをバカにしない
- 2 ホリゾンタルプル(プルアップのステップ2)が序盤の最難関ポイント
- 3 スピードやフォームはきちんと守らないと効果がない!?
- 4 先を急がず、退屈に感じるレベルになるまでじっくりやり込む
- 5 プルアップにはぶら下がれる環境が必要
- 6 行き詰まったら引き返す勇気も必要
- 7 筋力だけじゃなくて柔軟性も大切
- 8 筋肉の個別の強さより筋肉同士の連携を強化する
- 9 筋肉を限界まで追い込まない
- 10 自重トレーニングに執着しない柔軟な姿勢も必要(かも)
- 11 プリズナートレーニングを1年間実践したことで私の身体にはどのように効果があったのか
- 12 プリズナートレーニングにプロテインを併用するともっと良いんじゃないかというのが率直な感想です
- 13 プリズナートレーニングは1年や2年でマスターできるものでもないからのんびり行こう
簡単にできるからと初期ステップをバカにしない
本に書かれていることですが、壁に手をついてプッシュアップする「ウォール・プッシュアップ」などは、人によってはトレーニングに含めていいのか迷うほどに負荷が弱いです。
もっと高負荷の種目ができるのに、こういうトレーニングに時間を費やすのは無駄なようにも感じますよね。
でも、プリズナートレーニングが他のトレーニング(例えばマシントレーニングなどの高負荷・低頻度のトレーニング)と違うのは、単純に筋肥大を目的にしているところではなく、腱や靭帯の強化だったり、複数の筋肉の協調性を高める点だったりするわけです。
少し他のトレーニングとは目的が違いますから、マシンを使うトレーニングのように筋肉を個別に、パーツごとに鍛えるようなイメージではなく、目的の動作に関わる筋肉を総動員して使うトレーニングだという意識で行いましょう。
そこを間違えなければ、初期ステップの弱い負荷でもしっかり時間をかけて取り組む必要性を理解できると思います。
ホリゾンタルプル(プルアップのステップ2)が序盤の最難関ポイント
これは1年間継続してもほとんど進歩がみられませんでした。ホリゾンタル・プル(プルアップのステップ2)がいまだにクリアできません。
途中、オーストラリアン・プルアップや、ステップ1のヴァーチカル・プルを片手でやったり、100回連続でやってみたらどうかと試したりもしました。
要は、ステップ1とステップ2の間の難易度の差が大きすぎるのです。
ステップ1は簡単にできるのに、ステップ2になると一気に負荷が上がりすぎてできない。
なのでステップ1.5とかステップ1.3に相当する負荷のトレーニングを模索しながら行いました。
それでもやはり難しかったですね。

今は、一旦プリズナートレーニングから離れてマシントレーニングでの背筋強化に取り組んでいます。
もはや自重トレーニングですらありませんが、低負荷でじっくり背筋の収縮感覚を学習するところからスタートしています。
プリズナートレーニングはステップ1だと負荷が軽すぎるし、ステップ2だと負荷が強すぎました。
ステップ1.5とか1.3でも私にとっては無理でした。
おそらくこの試行錯誤はまだまだ続きます。本場のアメリカでも序盤の最大の難関と言われているようですし、一筋縄では突破できそうにありませんね。
スピードやフォームはきちんと守らないと効果がない!?
最初は早くステップアップしたい気持ちや、短時間でトレーニングを終了させたい気持ちから、2秒で動いて1秒間は止まる というルールを無視しがちです。
また、人によっては無意識にフォームを崩して簡単にできるフォームに変化してしまっている人もいるでしょう。
プリズナートレーニングのメリットは短時間のトレーニングでしっかり効果を出せるというところが大きなポイントです。
でも序盤のステップは50回3セットとか、短いなりにも時間がかかるのです。
それを嫌ってペースアップしがちですが、スピードやフォームはちゃんと守らないと効果が出にくいです。
ゆっくり行うからこそ、自重トレーニングでありながらしっかり筋肉に効かせることができるのです。
焦る気持ちを抑えつつ、ゆっくり行うことを意識しましょう。
ペースが分からなければ、スマートフォンのメトロノームアプリなどを利用するのもいいと思います。
先を急がず、退屈に感じるレベルになるまでじっくりやり込む
先ほども書きましたが、ステップアップするほどに負荷が増える反面、トレーニングに必要な回数やセット数が少なくなります。
忙しい現代人はトレーニングに使える時間が少ないという人も多く、短時間で効果が見込めるプリズナートレーニングは魅力的です。
また、初期のステップはあまり筋肉に効いている感じがしないということもあり(プルアップだけは別ですが)、先を急ぎたくなります。
さらに、「退屈に感じるレベル」というのはいったいどういう風になればいいのかという明確な基準が存在しませんから、進むべきタイミングを見誤って、自分に甘めのジャッジを下してしまう人が多いように見受けられます。
そういう私も、どうなったら先に進んでもいいという明確な基準は見つけられずにいます。
私なりの答えとして、しっかりと速さやフォームを守りつつトレーニングを行い、次のステップに進んだにもかかわらず行き詰まってしまった場合、一つ前のステップに戻ってさらに退屈に感じるまでやり込むというのがいいんじゃないかと思っています。
次のステップに進んだにもかかわらずそこから進歩が見られないということは、まだそのステップに進むには時期が早すぎだったと言えるのではないでしょうか。
何にしてもまずは、焦って先に進まないというのを念頭において取り組む必要がありそうです。
プルアップにはぶら下がれる環境が必要
特別な器具を必要としないというのがプリズナートレーニングのメリットですが、序盤からいきなり鉄棒のようなぶら下がれる環境が必要です。

しかも身近なところには意外とぶら下がれる環境がないというのがネックになってきますので、必要に応じてそういった環境を構築する必要があります。
私のプリズナートレーニング仲間のあいだでは、自宅のドア枠に引っかけるだけでプルアップの環境がつくれる便利アイテムを使用している人が多いです。
あるいは、広いスペースがあるのであれば専用の懸垂マシンを購入している人も多かったですね。
もしくは、お金を使わなくても週に1回でも公園に行ける自由な時間が確保できるのであれば、トレーニングスケジュールを工夫して公園の鉄棒を使って取り組む必要があります。
ダンベルや特殊な器具は確かに不要ですが、自重トレーニングで背筋を鍛えるのであれば、ぶら下がれる環境を用意することだけは避けて通れませんね。
行き詰まったら引き返す勇気も必要
ある程度ステップアップしていけば、自然と壁にさしかかります。
当たり前ですよね。壁に当たらなければすんなりステップ10まで到達するってことです。
そんな筋肉があるなら、別にプリズナートレーニングにのめり込むことはないでしょうから。
ただ、私の1年間の経験から言えば、その壁はなかなか突破できないと思います。
もちろん最終的には突破できると信じていますが、なかなか突破できないとなると、おそらくクリアするのに必要な強さが備わっていないということであり、場合によっては前のステップに戻る方が近道だったということもあります。
せっかく順調に進んできたのに後退するみたいで気がすすまないかもしれませんが、著書にも 前のステップに戻ってやり込んでから再度、トライすることを勧める ということが書かれています。
1つ戻ってみてダメなら2つ戻るくらいの心の余裕ば持っておきたいところです。
ちなみに私はステップ7くらいまで進んだ状態から壁にさしかかり、ステップ1まで戻りました。
つまり最初からやり直しました。
筋力だけじゃなくて柔軟性も大切
しっかりとトレーニングのフォームを守って行うためには、ある程度の柔軟性が必要です。
特に中盤ステップにさしかかると、体が硬い人にとってはやや辛いと感じることも出てくるでしょう。
ステップ1からやり込んでいくと、次のステップに必要な柔軟性も高めてくれるような設計になっているのですが、それだけでは不十分です。
効果的にストレッチも取り入れていきましょう。
ケガの予防であったり、自分のその日のコンディションを知る目的でもストレッチは有効です。
筋肉の個別の強さより筋肉同士の連携を強化する
ボディビルダーのように魅せる身体を作りたいなら個別に筋肉を鍛える必要があるのは分かります。
一方でプリズナートレーニングでは、筋力だけではなく身体の複数の部位を協力させて力を発揮し、パフォーマンスを高めるのが狙いです。
全身ムキムキのマッチョな人が、片手で懸垂できなかったり、片脚でスクワットできないというのは、個々のパーツは強力なのに、それらを適切にミックスして使うことをトレーニングしていないからです。
ボディビルダーにはそんなの必要ないですしね。
プリズナートレーニングでは、その動きを行うために必要な筋肉を適切に組み合わせて働かせることを目的としています。
なのでメチャクチャマッチョになるわけではないという風に解釈しています。
ヒョロヒョロの農家のおじいさんが、30kgの米袋をいともたやすく何回でも持ち上げられるのに、鍛え抜かれたアスリートがあっさりギブアップするっていうのをテレビか何かで見たことがあります。
強さとは筋肉のボリュームだけでは語れません。
大脳の運動野からの筋肉への命令といった 神経伝導系の働き によってもパフォーマンスは変化しますからね。
なのでプリズナートレーニングは、強化 という側面と 習熟 という側面があるように解釈できます。
筋肉を限界まで追い込まない
トレーニングはやりきった後の爽快感が気持ちいいというのも魅力の一つです。
そして極上の爽快感を得るためには、限界までトレーニングするのがいいと感じている人も多いと思います。
確かにそれは間違いではないのですが、限界の手前でやめた方が筋肉は効率的に強くなりやすいという科学的根拠を持ったデータがあります。
筋肥大 を狙いたいなら限界まで追い込み、筋のパフォーマンス を高めたいなら限界まで追い込まずにその手前で余力を残してやめる。
その方が効率がいいのだそうです。
著書でも、限界まで追い込まないことを推奨しています。
まぁその理由は、監獄で疲労困憊の時に襲われたらひとたまりもないという理由のようですが、スポーツ科学の観点からも余力を残すことの有効性は示されているのです。
自重トレーニングに執着しない柔軟な姿勢も必要(かも)
先述したように、私の場合はプルアップ(ステップ2のホリゾンタルプル)が最大の難関であり、試行錯誤もむなしく全然進歩がない状態で1年という月日を費やしました。
現状を打破するためにはマシンやフリーウエイトを併用するのもいいんじゃないかと思っています。

何言ってんだ!
というお叱りのコメントが聞こえてきそうです。プリズナートレーニングや自重トレーニング、キャリステニクスを信じてトレーニングしている人にとっては、もはや邪道でしかないと言われそうです。
でも、著書でもマシントレーニングを全否定しているわけではありません。
私も自重トレーニングのみに こだわる のはいいとしても、固執する のはいかがなものかと思います。
身体を壊さない範囲で、身体に普段とは違った刺激を送り込んで現状を打破するための呼び水として、自重トレーニング以外のものを試してみるのはいいんじゃないかと思います。
これは各個人の価値観や哲学の問題なので、皆さんの想いにお任せしたいと思います。
プリズナートレーニングを1年間実践したことで私の身体にはどのように効果があったのか
私は身長約182cm、体重は約64kgとかなり痩せ型です。
そんな私がプリズナートレーニングを1年間継続した現在の状況をここに写真で残しておきますのでご査収ください(笑)

1年前の写真がないのが残念ですが、圧倒的に体重が軽すぎる私でもこのくらいの身体には到達できます。
もちろん、先ほども書いたようにプリズナートレーニングというのは運動のパフォーマンスを高めるのに適しているため、ボディビルダーのように筋肉を肥大させて身体をデザインするには効率が劣ります。
でも、プリズナートレーニングでは パフォーマンスが上がるだけで筋肉はつかない ということではありません。当然いまの筋力よりも強い負荷にチャレンジしていくものですから、筋肥大だって起こります。
ただ、さらにマッチョな身体を目指すには、私の場合は圧倒的に体重が軽すぎるというのがネックになってきます。
プリズナートレーニングにプロテインを併用するともっと良いんじゃないかというのが率直な感想です
著書には プロテインは不要 と書かれていますが、プロテインを使ってはならない とは書かれていません
監獄の中ではそんな高機能食品が手に入るわけじゃない。でもそんな状況でも著者はこれだけの効果があった、ということを著書では紹介されています。
つまり、プロテインの使用についてもダメだと言っているわけじゃないので、あまり固執しすぎずに柔軟に対応した方がよいでしょう。
プリズナートレーニングも筋力トレーニングには変わりないので、食事の量を増やしたり、プロテインなどのサプリメントも効率的に使用できるのであれば使用した方が当然ながら効果的です。
ただし、痩せ型の体型の人が食事量を増やすのであれば注意して行いましょう。胃の消化力や、腸の吸収力などは人によって様々です。
それを超え続けるほどの食事量を毎日摂取していると、内臓に負荷をかけすぎて思わぬトラブルに見舞われる可能性だってあります。
一方のプロテインも過剰に摂取していると、アレルギー症状(蕁麻疹など)が出ることがあります。私がまさにそうなりました。
この記事では実際に蕁麻疹が出た原因を皮膚科の専門医がプロテインだと推測し、試しにプロテインをやめてみると数日で回復したという記録をお示ししています。
幸い、医師の指示のもと療養することで完全に回復し、プロテインも再び使用できるようになりました。
皆さんも早く強い自分になりたいからと先を焦らずに、適切に取り入れていただきたいと思います。
結局、プリズナートレーニングで焦って先のステップに進むのも、プロテインを過剰摂取してしまうのも、結果を早く出したいからという焦りがもたらすものだと思います。
この事例からも、焦りは禁物ということがわかりますね。
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プリズナートレーニングは1年や2年でマスターできるものでもないからのんびり行こう
私がこのプリズナートレーニングに取り組み始めた時は、序盤のステップから驚くほど順調に進歩していきましたので、1年くらいでステップ10まで簡単に到達するものだと思っていました。
少なくとも序盤のステップを順調にクリアしていた時は、間違いなくいくつかの種目ではすぐにでもマスターステップ(ステップ10)まで到達するという手応えを感じていました。
しかし実際にはステップ1からやり直し、1年経っても序盤から中盤あたりで行き詰まっている自分がいます。なんと恥ずかしい思い上がりなんでしょう。
結局、どんなトレーニングに取り組んだとしても強靭な肉体がそんなにすぐに手に入るわけはありません。
数年かかると肝に銘じ、くじけることなくコツコツと積み重ねていく以外にないのです。
トレーニングに王道はあれど近道なし
そんな気持ちでのんびりと筋肉を育てていく辛抱強さこそ、次の1年に向けて私が持っておくべきものだと思い知りました。
これからプリズナートレーニングをやってみようと思っている人、今まさにやり始めた人、壁にさしかかっている人。
そんな人に、この文章が届いて何かしらの役に立てば幸いです。
お互いに高みを目指して頑張りましょう!
【お知らせ】当ブログでプリズナートレーニングに関連する記事はこちらからどうぞ↓
プルアップはステップ1と2の間に1.5が必要というのは同感です。
私の場合、公園の滑り台の階段を利用しました。
これですと角度が30度位になります。
z さん、コメントありがとうございます。
滑り台の階段を利用するというのはナイスアイデアですね。
普通に鉄棒とか利用するより再現性もありそうですし、角度的にもちょうど良いですね。
アメリカをはじめ、国内外のプリズナートレーニーにとって、序盤にしてほぼ最大の難関と言われているこのプルアップのステップ2をいかにして攻略するのかというのは、ものすごく悩ましいところです。
コメントからすると、この難関を突破されたのですね。
私はまだまだ突破するには至っておりませんが、ステップ1.5を様々な形で取り入れてある程度効果がみられています。
早く後に続けるように頑張ります。
お互いに頑張りましょうね。
すみません、まだプルアップ1.5で奮闘中の初心者です。ただ私の場合は筋肥大を至上目的にしてますので筋肉が破壊出来ればステップランクには拘りません。進め方も貯金を残すのではなく筋肉の完全破壊を目指しています。今現在プルアップ1.5で初回25レップ。2回目は15、10レップ。3回目は10、8、4、3レップそしてその最後の1レップはフィニッシュポジションで静止して1秒、2秒、3秒、4秒、限界が来て座り込んでしまったら終了という感じです。
プリズナートレーニングのいいところは筋肉を付けたい人も筋力を付けたい人も使えるトレーニング方法だと思います。
お互いに頑張りましょう。
zさん、なるほどそうなのですね。
確かに、プリズナートレーニングであればトレーニングの目的が筋力でも筋肥大でも対応できそうですね。
私はスポーツジムのマシントレーニングも一通り経験してみて、身体を痛めてしまったことと、ある程度の制限(自重のみ)というのが逆に燃えるなーって思ってはじめました。
お互いに良い結果が出ることを目指して頑張りましょうね!