兄がうつ病になりました

   

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妹から電話がありました。内容は、兄がうつになってしまった というものでした。

ついこの間、実家に田植えをしに戻った時は、「兄貴、ちょっと体調が悪いのかな?」くらいにしか思っていませんでしたが、そんなに深刻な事態に陥っていたとは思いもしませんでした。

強くて、わたしたち兄弟に対してはとても優しく面倒見が良かった兄貴でしたが、私たち兄弟はそんな兄の状況に気がつきませんでした。

中学生・高校生の時代は極悪な不良だった兄

兄は昔から体格にも恵まれており、手先も器用でしたので、われわれ兄弟も頼りになる兄貴として慕ってきました。

性格はまっすぐ、竹を割ったような性格で、気に入らないことがあれば相手が誰であろうと噛み付くような性格であり、それゆえいろんな不良にからまれていましたね。

特に中学生や高校生の時代は不良の限りを尽くしていました。

中学生のときはケンカ三昧、高校生の時はそれに加えてお酒やタバコをたしなむようになっていて、学校から帰ってきたら顔が真っ赤で酔っ払っていたなんてことが日常的にありました。

高校は隣町の学校でしたが、かなり名前の通った不良だったようです。

妹が数名の不良にからまれた時、話の流れから兄の名前を出したのですが、相手が急に青ざめて謝ってきたなんて話を聞いたことがあります。

ただ、兄は確かに不良ではありますが、自分から全然関係ない人に因縁をつけるようなことはしませんでした。

一方的にケンカを売られたり、あまりに目に余るような行いを目にしてしまった時にいきなり喧嘩モードで噛み付くという感じだったようです。

ようするに正義感の強いワガママ坊主だったのですね。

そんな兄でしたが、工業高校で勉強もかなりできたようです。全校でトップクラスの資格の取得数を誇り、高所作業やガス溶接など、かなり難関の資格もたくさん持っていたようでした。

なので、卒業後はいろんなところから仕事の誘いがあったようでした。兄貴って一体、、、。

職場を転々とする社会人初期の時代

社会人になってからは、かなり有名な企業で働いていました。仕事は大変だったようですが、やりがいをもって社会人生活をスタートさせていました。

しかし、性格が災いしたのか、それとも仕事の内容が不満だったのか、わすか数年でその有名企業を退職し、そこからは今までに片手では足りないくらいに職場を変更していました。

よく、兄貴からは仕事の愚痴を聞くことがありましたが、ほとんどが人間関係についてであり、気に入らない先輩がいるとか、気が利かない後輩がいるとか、そういう話がほとんどでした。

仕事の腕は一流でも、人間関係がうまくいかないと定着するのが難しい、そんな兄でした。

離婚・再婚を経験して人並みの幸せを手に入れたかに見えたが・・・

ある日、結婚していた女性と兄は離婚しました。それから数年は兄と他の兄弟たちは絶縁状態が続いたのですが、ひょんなことからわだかまりも溶け、絶縁状態が解除された時には、すでに再婚して子どももいました。

子どもが可愛くて、成長が楽しみで、だから仕事も家事も頑張るんだと私たちに語ってくれた兄が非常に幸せそうであり、印象に残っています。

定期的に実家に集まっては楽しい時間を過ごしており、どこにでもあるごく普通の親族の関係が構築されていました。

また、兄はどんな時でも人知れず、われわれ兄弟をかばってくれていた。

そんな、以前と変わらない優しい兄に対して、数年のブランクなど無いに等しいと言わんばかりに、以前のような仲良し4兄弟が再結成されました。

相変わらず仕事の愚痴は多いのですが、それでも子どもや妻のためにと仕事を頑張る兄。

まぁ、それが普通といえば普通ですね。私もそういうところがありますから、兄の気持ちはわかります。

ただ、後になって知ったのですが、今回の職場はそれまでとはちょっと人間関係のレベルが違っていたようです。

チカラやケンカの強さじゃない、「人間関係」という名の暴力が兄を打ちのめす

今回の職場は、今までに無いくらいに人間関係が悪く、特に新入りに対しての圧力は他に類を見ないということで有名な会社でした。

無視したり、本人に聞こえる悪口というのは序の口です。

兄の渾身の親切を無視で返したり、今の兄のレベルでは到底扱いきれない特大のトレーラーを、一度助手席に乗せただけで「指導した」ということになり、翌日から一人で任せるというふうに、本人のプライドをズタズタにする形でいじめる感じです。

あとで聞いたのですが、それくらいのことを軽く右から左へスルーできないのであれば、あの会社で働くのは難しいんだそうです。

もともと責任感が強く一途な性格ですので、与えられたからにはしっかりと結果を出さないといけないという気持ちが働き、ものすごい恐怖感とストレスを抱えながらそのトレーラーに乗っていたようです。

そしてそのことがきっかけでストレスが限界を超えてしまったようですね。

大の大人が泣きじゃくる「うつ」は案外身近にある

妹からの連絡によると、特になんでもないある日に、兄が一人きりで実家を訪ねてきたそうです。

母と会うなり、いきなりボロボロと涙を流して泣きじゃくりました。
しばらく続き、そしてやっと一言。

「・・・もう無理や」

母もさすがに事態を深刻なものだと察知しました。

普段から仕事の辛さや体調不良を聞かされていた母は、これがどういうことなのかを瞬時に察知し、ただちに仕事を休職するか、辞めることを勧めました。

そして、2〜3年後までに実家にもどって家を継ぐという計画だったのを、前倒しして帰ってくることを勧めました。

実家に戻ることをためらっていた兄のお嫁さんも、その状況を踏まえて即決してくれたそうです。

子どもになるべく負担にならないように、夏休みに入るタイミングで転校する手続きを行います。

子どもにとっても負担は大きいでしょうが、いつものお父さんに戻ってくれるということの方が大切だろうということと、その甥っ子は実家のど田舎な環境が大好きなので、それがせめてもの救いです。

心療内科(以前の呼び方でいうと精神科)を受診し、安定剤などを処方してもらい、最近はようやく少し眠れるようになったようですが、田植えの時にはすでに めまい、下痢、吐き気、食欲不振 などの症状があったようです。

それから1ヶ月にも満たない間に、急激に事態は深刻化していたのですね。

いちばん打たれ弱かった私がいちばん普通の生活を送れているのはなんでだろう

私は幼い時は 泣き虫あっちゃん と言われるほどに、心が弱い人間でした。

周囲の誰もが認める弱虫で、「ほら、また泣いた」なんていうコメントは聞き飽きるほどでした。

社会に出てからは、さすがに感動した時以外で泣いたことはありませんが、それでもそんなにメンタルが強くなったとは思っていません。

ヨガとかやっていますが、そんなに急に心が強くなるわけありませんからね。

でも、社会人になってからということで言えば、岡山県の倉敷市にある超有名病院で働いていた弟は、わずか2年でうつの一歩手前になって愛媛に帰ってきました。

妹も職を転々とし、1年に4回も立て続けに交通事故を起こした(起こされた方も含める)ときはさすがにうつの一歩手前までいき、わずか数ヶ月で一人暮らしをやめて実家に帰ってきました。

そして今回の兄の一件。

私はというと、今のところ職場にいてそれほどストレスを溜め込んでいる感じでもなく、客観的に見ても普通の状態です。

普通に結婚して、普通に子どもにも恵まれ、普通のマイホームも建てています。

他の兄弟たちと比べても、いちばんオーソドックスな幸せを普通に満喫しているのは、今のところ私だけかも知れません。

これって何でなんだろう?

弱虫だから?

泣き虫だったから?

ヨガとかやってるから?

うーん。わからない。

兄に幼い頃に支えてもらった恩を返す時が来た

いずれにしても、周囲に誇れる事実として、兄弟が非常に仲が良いということ。

鬼のような不良だった兄も、兄弟には非常に優しくて面倒見が良かったです。それは今でも変わりません。

「なんだか最近、農業を手伝えという父の号令がかからないなー」と思っていたら、兄が片っ端から肩代わりしてくれていたというのを最近になって知りました。

「アツシは体力的には強い方じゃないから、こういうことは俺に言え」

「アツシは子どもが産まれたばかりで家事に育児に大変な時期だから、俺が代わりにやるから連絡しなくてもいいよ」

というようなことが、頻繁にあったようです。

兄と絶縁状態にあった時に、ほとんど私が代わりにやっていたことだから、今さら特別キツイということもないのですが、兄のさりげない優しさを感じます。

そういうことって、幼い頃からたくさんありました。私が知っていることだけで言っても、幼少期から今までに数えきれないほどです。

やはり、兄は兄として他の兄弟たちを人知れず守ってきてくれたのですね。

ならば、今こそその恩を返すときです。

他の兄弟たちも想いは同じようです。

「兄弟は誰が欠けても楽しくないんだから、楽しくなるように人知れずサポートしていこう」という意見で一致しました。

具体的にどういうことをすれば、兄をサポートできていることになるのかはわかりませんが、それを懸命に考えながら、兄から受けた恩に報いたいと思います。

不思議ですね。

私も、他の兄弟たちも医療従事者(看護師)なんだから、うつの患者さんへの接し方なんて熟知しているはずなのに、実の兄がそうなった途端にどうするのが一番いいのかがわからない。

しばらくは話し合い、模索しながら静かに見守っていこうと思います。

以前のような兄の姿に戻る日を信じています。

Posted by 愛媛ブロガー Atsushi(@Atsushi_k0

 - 医療と健康

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