
人生100歳時代が到来し、昔では考えられないほど長生きしていくのが当たり前の時代となりました。
ただし、あくまで ”健康で” 長生きすることが重要で、世の中の便利さを堪能しすぎると身体はおとろえてしまい、最終的には ”寝たきり” で長生きすることになります。
そんな私が、老後に備えて ”貯筋” するために、習慣化しやすい3分間という短時間で取り組めるエクササイズを考案しました。
”筋力”、”バランス”、”柔軟性” に焦点をしぼり、それぞれのカテゴリーに1分間のエクササイズを3種類、合計で3分間ずつのメニューです。
怪我に気をつけて、無理なく習慣化できるように少しずつ生活にとりいれてみてください。
寝たきり予防のための筋力エクササイズ

私は病院で理学療法士として働いていますが、ご高齢の患者さんをみていると、転倒して骨折し、寝たきりになるという流れが多いです。
治療の過程で筋力が低下し、自分で起き上がったり歩いたりできなくなることで寝たきりとなります。
さらに、転倒(しそうになる)ことは、最近では若者でも多く見られるようになっていますので、高齢者だけの問題ではないのです。
筋力を鍛えることで転倒そのものを予防したり、骨折後の治療においても筋力を低下させにくくするための ”貯筋” をつくることを、若い年齢のうちから意識して取り組むことが重要です。
寝たきり予防のためのバランスエクササイズ

転倒を予防するためには、バランス能力を高めることが重要であることは言うまでもありません。
”転倒する” ことの一歩手前である ”転倒しそうになる” の段階で踏みとどまれば、その後の骨折や寝たきりを防ぐことになります。
ここでは、筋力とバランス能力を同時に高めるためのエクササイズを3種類ほどご紹介します。
片脚スクワットなどの高負荷で難易度が高いバランスエクササイズも含まれていますので、転倒やケガに気をつけて行いましょう。
寝たきり予防のためのストレッチ系筋力エクササイズ

体育の授業や部活動などで、ケガをしないために運動前にストレッチを当たり前のようにやっていませんでしたか?
体が硬いとケガの原因になります。普通は捻挫で済むようなケースでも、体が硬いばっかりに骨折してしまったということもあり得ます。
また、高齢者の転倒の原因として、家の中の小さな段差につま先がひっかかり転倒してしまうというケースも多く、普段から関節を大きく動かせるというのは転倒予防にとっても重要な要素です。
関節をダイナミックに動かしつつ筋肉を鍛えることで、寝たきりにならないための筋力と柔軟性を同時に手に入れましょう。
ただし、ストレッチした筋肉を強く収縮させるのはケガの危険性も高いので、最初は控えめに行い、徐々に負荷を上げていくことをオススメします。
高齢者だけでなく若い年齢から取り組むべき転倒予防を今から始めよう
病院では、骨折したご高齢の患者さんは口々にこういいます。
「気持ちは若いつもりだったんだけど・・・」
確かに若い年齢のうちは、転倒して骨折すると寝たきりになるということを頭では理解していても、まさか自分がそうなるとは夢にも思っていません。
筋力、バランス、柔軟性のいずれをみても、高齢者より若い人の方が勝っているからです。
しかし、自分たちの未来の姿であるご高齢の患者さんがそう言っているのです。
また、筋力やバランス能力、柔軟性などの身体機能は、おとろえてから慌てて鍛え始めても、いずれ訪れるであろう激しい転倒の機会までに間に合わないことも多いです。
なのでなるべく若い年齢のうちから、こういった定期的な運動を習慣にしておくべきです。
始めるためのベストなタイミングは ”今” です。必要なのはたったの3分間だけです。
さぁ、コツコツと ”貯筋” していきましょう。