

いよいよ我が家の稲作農業も大詰めです。もみ殻を取り除く籾摺り(もみすり)の作業に進みます。
籾摺りをした後は玄米の状態ですので、精米機で白米にすれば食べられますし、健康志向の人は玄米のままでもいただけます。
前回の記事はこちら:我が家のコシヒカリは「稲木干し」の期間を終えていよいよ「稲こぎ」の行程へ | 歳月庵
最後の行程「籾摺り(もみすり)作業」とは
はい、手伝いに実家に帰るとすでに最後の行程は終了しており、使用した機材の清掃作業が行われていました。

籾摺り(もみすり)とは、お米にくっついている籾殻(もみがら)を取り除いて玄米にする過程のことです。
いちおう解説しますと、左の大きな機械は乾燥機です。新米は水分を多量に含んでおり、そのままでは籾摺り(もみすり)ができません。
稲木干しの作業をすることである程度の水分はなくなっていますので、この乾燥機で微調整して規定の水分量まで減らします。
その乾燥した籾(もみ)を写真の中央右側にある白い籾摺り機(もみすりき)で分離します。
さらにその機械から右側に置いてある青(?)くて長い機械で小米(こごめ)と普通の大きさの粒のお米に選別し、大粒の米のみが袋に溜まるシステムとなっています。
小米(こごめ)は、農協などに出荷して等級をつける際の品質に関与しますが、普通に食べる際もやはり米粒のサイズがある程度そろっていないと、炊き上がりにムラができますので、取り除いていた方が美味しいです。
ただしこれは小米は美味しくないということではありません。生育段階でどうしても一定量は出てきますので、専門の買取業者に(値段は安いですが)引き取ってもらいます。
鶏や牛のエサとして使えますし、パンの材料として使うこともできます。
粉砕してパン作りに使う分には小米と言えども、とても上等で美味しい使われ方となります。新米でできたパンですから美味しいと思いますよ。
新米のコシヒカリが見事に出来上がりました
今年も新米のコシヒカリが無事に収穫できました。去年よりも3俵(約180kg)ほど豊作でした。
この稲作農業というのは毎年、結構ヒヤヒヤものです。天候や野生動物への対策ももちろんやりますが、それでもダメな時はダメなんです。
ひどい年には台風がいくつも到来したことで日照時間が少なく、倒れた稲を起こすこともできずに全滅したこともあります。
がんばって途中まで育成していたのにとれ高はゼロですよ、悲しすぎます。
収穫してみて初めてその年の出来栄えが分かるので、豊作だった年はメチャ嬉しいし安堵感がすごいです。だから昔から豊作を祝ってお祭りなんかも開かれるんでしょうね。
古米がまだ残っているのですが、さっそく新米を分けてもらえそうなので、努力の結晶をさっそくいただいてみたいと思います。
稲作農業のシーズン終了はここまでです
一応、苗を購入してからお米を収穫するまでの一連の行程はこの籾摺りをもって終了となります。
この後も来年に向けての作業や、稲作農業以外の作業もありますので父は多忙な日々が続くのですが、あくまでもメインは稲作農業であり、お米を収穫することを目的にしていますので、今年はこれで目的が達成されました。
正直、我が家の農業の規模では毎年確実に赤字になります。専業農家で食べていくにはもっと大規模化して効率化していかないと難しいでしょう。
でも我が家の家業でもある農業を絶やしたくないという一心でせっかく奮闘しているわけですから、どうせ採算度外視でやるんだったら楽しんでやりたいです。
一人きりでは心が折れるかもしれませんが、みんなでワイワイやるのってけっこう楽しいですよ。
今年も無事に実りが得られたことに感謝しつつ、近いうちに新米コシヒカリをいただいてみたいと思います。
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