自分の主張や考え方がコロコロ変わるのは別にダメなことじゃないよ

自分の主張や考え方がコロコロ変わるのは別にダメなことじゃないよ

私は今までの34年の歳月の中でいろんなライフイベントを経験するたびに、当然ですが置かれる立場が変わっていきました。

その時々で感じることは、やはり実際にその立場になってみないとわからないことがたくさんあるということです。私や後輩がそうだったように。

ここでは後輩との関わりの中で感じたことを踏まえて、 ブログでの主張が一貫しないことは別に悪いことではない と思う根拠について述べたいと思います。

立場が変われば「目の前の景色」も変わってくる

わたしの後輩の例で言えば、その後輩は仕事に対して非常に情熱的な男です。朝早くに出社して、夜遅くまで居残りして働いています。

病院ですので、患者さんに対して行う治療の技術を高めるための努力とか、そういったものもここでは仕事に含まれます。

そして、その後輩がお酒の席などで「定時で帰宅する奴は情熱が低すぎて話にならない。特にママさんスタッフは。」という趣旨愚痴をこぼすことがあります。

時が経ち、その後輩も結婚し、奥さんが出産してついにパパとなりました。

いくら仕事熱心だからといっても、また奥さんが育児休暇中だからといっても、子育てを完全に奥さんに丸投げすることが許される理由にはなりません。

当然ながら家庭の事情により定時で仕事を終えて帰宅することを迫られることが増えてきました。

つまり、昔あれだけ批判していたママさんスタッフと同じ立場に自分も置かれる状況となったのです。

このことが、最初はかなりストレスになっていたようです。

もちろん奥さんを愛していますし、子供も可愛いのですが、今まで当たり前のようにできていた仕事が思うようにできなくなったという事実にうまく順応できなかったというのがその理由でした。

それからしばらくして、その後輩と昼食を一緒に食べていた時に言われたことが「定時で帰宅する先輩たちと同じ立場になって、その大変さや必要性が身にしみてわかりました」ということでした。

実際にその立場に置かれてみないとわからないこともある

この話で言えば、別に先輩たちは努力を怠っているというわけではありません。

自宅で勉強するとか、すごい人であれば一度帰宅して家事や育児を一通りのこなして、子供を寝かしつけてから再び職場に戻り、学会での研究発表の準備や勉強をしているなんて話も聞いたことがあります(それがいいことなのか、正しいことなのかは別ですが)。

患者さんの人生のその後を左右する仕事をしているのですから、基本的には自分を高める努力は継続していく義務があります。

ただ、ライフイベントや立場の移り変わりによってその戦略も変わっていくのは仕方のないことです。

それをよく知ろうともしないで安易に批判するだけではダメでしょう。その後輩も自分が同じ立場に置かれることで初めて共感することができたのです。

後輩の考え方は悪くない

ここで気をつけたいのが、この事例の解釈についてです。

この後輩に対して言葉をかけるとしたら「今後も今回のことと同じように、その人の立場に立って考えなければわからない その人なりの事情 ってものがあるんだから、安易に批判したり否定することのないようにしなきゃね」というのが一般的でしょうか。

しかし、私はむしろ「いい経験をしたね。でも、数年前の君の主張を間違っているとは思わないよ。立場が変われば自分がベストだと思う意見も変わるのが自然な流れだからね。他者を傷つけることのないような配慮をしつつ、あくまで その時点での意見 としては持っておいても良いものだったと思うよ」という見方もできるでしょう。

わたしも結婚する前は、情熱のおもむくままにその後輩と同じように、朝早くから夜遅くまで仕事に励んでいましたし、言葉に出さなかっただけで後輩と同じことを考えていました。

でも少なくともその時の自分の立場からすれば、そういった意見が湧き上がるのが自然でしょう。

だって結婚もしてないし子供もいなかったのですから本当の意味では理解できません。

その時にベストだと思う意見が自分の中に湧き上がってきただけです。

わたしもその後輩も、直接先輩に自分の主張をぶつけるようなことはしていません。

ただ、自分の中に確固たる主張を秘めていたという点では同じで、プライベートな場でそれを出すか出さないかくらいの違いでした。

一般論ではなく今の自分がベストだと思う意見を持つことは大切

もし自分のブログにもっと仕事の話をたくさん書いていたら、数年前のわたしなら「情熱のなくなった医療者は話にならない」みたいな記事を書いていたかもしれません。

そして今の自分は「その人それぞれの置かれた立場によって見える景色は違う」という記事を書いています。

数年後はまた違った意見を持っていてもなんら不思議はありません。

なぜなら歳月を重ねるということは、単純に時間が過ぎ去るだけということではありません。

立場や環境が変わるのですから、当然いろんな経験を積んで、結果的に主張が変わっていくのは当たり前のことです。

ブログの話に置き換えるなら、過去と今と未来で、書いている主張の内容や興味のあるジャンルが変わっていくのは仕方ありません。

それがその人の成長なのですから。なんなら「年代によって仕事に対する考え方はこう違う」みたいな記事にまとめてしまえばいいんじゃないですか?

一般論は教科書にでも任せておきましょう。他者を傷つけない範囲であれば、その教科書に追記したり削除したりと落書きしてしまえば、その教科書があなたのものだと一発でわかります。

わたしが目指すのはそういうブログなのかもしれません。

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